八重垣神社について
高天原から出雲の斐の川上に降り立った素盞嗚尊は、老夫婦(脚摩乳、手摩乳)と稲田姫が泣いている様を御覧になられ、八岐大蛇を退治し、稲田姫の命を御救いになったのです。
この時、素盞嗚尊は、斐の川上から七里離れた佐草の郷"佐久佐女の森(奥の院)"に、大杉を中心に『八重垣』を造り、稲田姫を御隠しになりました。八岐大蛇を御退治になった素盞嗚尊は、ご両親の脚摩乳、手摩乳の御許しを得て夫婦となり、この佐草の地に宮造りされ、御夫婦の宮居とし縁結びの道をおひらきになられたのです。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」
という妻をめとった喜びの御歌から、『八重垣の宮』となりました。
"天つ神"素盞嗚尊と"地つ神"稲田姫命の御二柱は、この地で結ばれた出雲の縁結びの大親神様で在らせられます。この御二柱を主祭神とした八重垣神社は、古来より朝廷、国司、藩主の崇敬が厚く、御神徳高い神の国出雲の古社・名社として位置づけられております。
御祭神
素盞嗚尊
稲田姫命
大己貴命(大国主命)
青幡佐久佐日古命(佐草宮司先祖神)
境内社御祭神
伊勢宮・・・・・天照大御神
脚摩乳神社・・・脚摩乳命(合祀 譽田別命)
手摩乳神社・・・手摩乳命
貴布禰神社・・・高靇命(合祀 倉稲魂命)
山神神社・・・・大山祇命
天鏡神社・・・・稲田姫命
伊勢宮
伊勢の神宮の神様で日本の総氏神様です。
脚摩乳神社
稲田姫命の父親神様
合わせて佐草字客山に鎮座していた八幡宮の譽田別命をお祀りしています。
手摩乳神社
稲田姫命の母親神様をお祀りしています。
貴布禰神社
水に関わる神様
合わせて佐草字客ノ尾に鎮座していた稲荷神社の倉稲魂命をお祀りしています。
山神神社
八重垣神社の末社、山神神社は「山の神さん」と親しまれ、以前は佐草の里西側の山中、金起の旧街道沿いに祀られてあったものを明治頃に八重垣神社の境内に遷された御社です。
山・農耕の守護神、夫婦和合を始め、昔より安産・授児子宝及び下半身の病に霊験あらたかとして地元はもちろん、遠方より祈願や御礼に参拝され、手作りの男根等を供える風習は現在でも続いています。
平成十六年の夏に老朽化した御社を新築し八月一日に祭典を斎行しています。
社日社
天照大神、倉稲魂命、埴安姫命、少彦名命、大己貴命。
農耕に関わる五柱の神様をお祀りしています。
社日とは春分及び秋分に最も近い戊(つちのえ)の日です。
天鏡神社
八岐大蛇から御避難中に稲田姫命が使用された鏡の池を望む場所に建っています。